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- 2020.06.15
- 本・文学
三郎の書評部屋📚 『超ストレス解消法 イライラが一瞬で消える100の科学的メソッド』を読んでみた
投稿者:三郎
あなたは作家に向いてる?3項目で適正チェック!📚
投稿者:Jiro Matsushita
チームアミューズライターのジローです。
仕事柄、作家さんや作家を目指す方からの相談を受けることが多いので、その中で得た経験などを記事にしていきたいと思っています。今回はよく聞かれる『どんな人が作家に向いているのか』というテーマを、私の経験から3項目にまとめてみました。
あくまで私の考えなので、あまり深く考えずに楽しんでくださいね!(笑)
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① 小さな子どもや初対面の人とのコミュニケーションが得意
コミュニケーションなくして面白い小説は生まれない
例えば小さな子どもが目の前にいて、その子と楽しく会話をしようとするときに、難しい言葉を使ったりはしませんよね?相手の年齢や知識レベルに応じて、適切な言葉や表現を選択するはずです。
初対面の人と会話をするときにも、自分のことばかりを一方的に話し続けたりしてはいけません。お互いに情報を交換しながら、共通の話題を見つけて、丁寧に信頼関係を築いていきたいです。聞いてもいないのに自慢話を延々と語るような人とは、お近づきになりたくありませんよね。
「コミュニケーションとは」
「自分目線で」「自分が知っている情報を一方的に与える」ことではなく「相手目線に合わせて」「相手が欲してる情報を適切な順序で与える」ことです。
作家業に置き換えれば「読者目線で」「読者が欲している情報を適切な順序で与える」ということになりますね。その点、児童や小中学生向けの作品(賞)なのに、難しい言葉や表現を多用する方が意外と多いことに驚かされます。「辞書で調べながら読めばいいじゃないですか」と言い返されたこともありますが、それでは作品の世界に没頭できませんし、言葉の勉強なら教科書ですればいいです。
これは相手の目線に合わさず、自分目線で書いてしまうことの悪い例です。
また、作品の冒頭からたくさんの登場人物を登場させたり、定義がなされていない造語を多用する作品も多いです。書いている作家さん自身は知っていることであっても、初めて作品を読む読者にとっては知らないことばかりなので、読み進めるほどに頭がこんがらがってしまいます。
「先まで読めばきちんと書いてあるのでわかります」って、人間の頭はそんなに便利ではありません。これは自分が知っている情報を一方的に与えてしまうことの悪い例です。
小説も文字を使ったコミュニケーションであることに変わりはありません。小さな子どもや初対面の人と適切にコミュニケーションが取れるという方は、その感覚のまま原稿用紙に向かって頂けますと、面白い作品が書けると思いますよ。
現実のコミュニケーションに自信がなくても大丈夫。
一方で、プロ作家の方たちが外向的でコミュニケーション能力が高いのかというと、むしろリアルでの交流が苦手な人が多いという印象を受けます。それだと上に書いた「コミュニケーション能力が大事」に矛盾しそうですが、これは矛盾するものではありません。なぜなら、現実でのコミュニケーションに敏感である人は、その場で最適な対応を考えすぎてしまう傾向にあるためです。
一般の人ならあまり考えずに即答するところを、まるでその場で小説を書いているかのように最適な次のセリフを考え込んでしまうのですね。そのせいでリアクションが薄かったり、反応が遅かったり、コミュニケーションが苦手そうな印象を与えてしまうのです。
現実のコミュニケーションが苦手だからといって、それはコミュニケーション能力が劣っているという訳ではありません。むしろその感覚に優れていて、大切にしているからこそ、現実のスピードに対応しきれていないだけです。
ですので、リアルでのコミュニケーションの瞬発力に自信がないという人でも問題はありません。原稿用紙の上であれば、じっくりと読者とコミュニケーションを取ることが出来るはずです。
もしパーティーや飲み会で失敗してしまったとしても、そのことを悔やむのではなく、「あの時は、こういうコミュニケーションをしておくのがベストだったかな」とじっくり考えてみて、それを作品に活かしていきましょう。
② 興味を持ったことへのこだわりが人一倍強い
「こだわる力」が作品を面白くする。
興味を持ったらとことん調べずにはいられない、極めずにはいられないという性格の方は、ものすごく作家に向いています。特にノンフィクションのジャンルでは、リアリティを出すために専門的な知識を勉強したり、業界の人間を相手に取材をしたりする必要がありますからね。
読書の楽しさの一つとして、新しいことを知る、知識欲が満たされるという喜びがあります。誰もが知っているような話や知識では、いかに上手な文章で書こうとも、新鮮な楽しさというものはありません。知識欲を刺激される面白い作品は、作家のこだわる力と取材力があってこそです。私たちの日常でも、何かを極めている人の話を聞くのは、とても楽しいことですよね!こだわりは強いほうがいいけれど……
しかし、こだわりの強い作家さんの弱点として、①に書いたコミュニケーションへの配慮に欠けてしまいがちということがあります。なにせ作家さん自身がこだわり抜いているものですから、「目線の高さ」で言えば最上位にあるのですね。ですから、多少は相手目線になったつもりでも、相手から見ればまだまだ高いということになりがちです。
そんな時は、大学教授が新一年生に対してする授業をイメージすると良いでしょう。教授は博識ですから、多くの専門的な知識を持っていますが、新一年生に対していきなり全力投球はしませんよね。(中にはそういう教授もいますけれど)まずは講義の内容について少しずつ知ってもらい、楽しんでもらえるように、段階的にアプローチをしていくと良いでしょう。もどかしい気分になると思いますが、そこは新一年生の目線に立って、まずは興味を持ってもらうことに全力の配慮をしたいです。いきなり難しい講義を始める教授と、楽しい雑談から講義への興味を抱かせてくれる教授とでは、どちらの授業を受けたいと思うでしょうか?
③ 他人の意見を尊重することができる
主観(自分の考え)と客観(他人の意見)のバランスが大事。
「あなたは間違ってる」「あなたの作品は面白くない」と否定されれば、誰だって気分が良くありません。そんな時に、「そういう考え方もあるんだな」「どうすればこの人に楽しんでもらえるのだろう」と考えられる人は、作家の適性が非常に優れています。傍目八目(第三者には、当事者よりもかえって物事の真相や得失がよくわかること)という言葉があるように、他人の意見は大いに参考になるものです。
とはいえ、他人の意見を鵜呑みにすればいいという訳ではありません。
周りの意見ばかりを聞いていては、様々に矛盾が生じて、自分の考えで物事を判断できなくなってしまいます。自分の考えとして譲れないラインを引き、相手の意見で取り入れられるところは取り入れて、さらに良い考えを出せるように努められると理想的です。
そもそも人間のセンスは千差万別なので、完全に理解することも、完全に理解させることも不可能です。そのことを認識した上で、他人の意見を尊重できる方は、編集者や読者と良い関係を築いていきながら、作家としての自分自身をも尊重していくことができるでしょう。