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- 2020.04.18
- 海外
明るいニュースの需要が急増、米Googleでは「良いニュース」の検索結果が5倍に
投稿者:まこと
世界は広い!実際にあった『世界の面白い詐欺』中国上海 編 🇨🇳
投稿者:マルコ
こんにちは、ライターのマルコです。
本シリーズでは、私が世界各国を旅してきた中で実際に出会った「面白い詐欺の手口」をご紹介させて頂きます。思わず笑ってしまう様な詐欺の手口から、実際に騙されてしまった、とんでもなく手の込んだ信じられない様な詐欺まで、楽しんでご覧頂ければと思います。
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中国・上海のお茶会(ティーパーティー)詐欺
今回の舞台は中国は上海。大国中国の経済の中枢を担う、皆さんもご存じの大都市です。
その上海で人気の観光スポットでもある「豫園」(よえん)というエリアがあります。美しい庭園や伝統的な建造物、その周辺のショッピングエリア(豫園商城)などなど、見どころ満載の定番観光スポットとなっております。
この豫園には世界各国から観光客が訪れて賑わっているわけですが、当然、詐欺師達はこういった人(観光客)が集まるエリアに身を潜めており、虎視眈々と獲物を狙っているのです。
私の場合もこの豫園をブラブラと散策しているところでした。一人の小太りの中年女性が近づいてきて、何やら私に話かけてきたのです。
中国人女性:#@**3??:%$$?(中国語で)
私:すみません、中国人ではないので中国語分からないです。(英語)
中国人女性:あ、すみません写真を撮ってもらえませんか?(英語)
私:ああ、いいですよ。(写真を撮ってあげる)
中国人女性:有難う御座います! どこから来たんですか?
私:日本からですよ。
中国人女性:ええ!日本人ですか? 日本人は英語があまり分からないイメージがあるので日本人だとは思わなかったです。
私:そうですかね。中国の現地の人もあまり英語を話せる人が少ないイメージなので、こちらも少しびっくりですけど。(笑) どこから来たんですか?
中国人女性:私は中国出身なんですけど、田舎の方から遊びに来たんですよ。だからこのあたりはあまり詳しくないんですよね…。
私:そうなんですねー…
そんな風に雑談をしていると、小太り女性が突然こんな提案をしてきのです。
中国人女性:あ、この後ってどこか行く予定あるんですか? 私は友達と待ち合わせまで時間があって、「ティーセレモニー」に行こうと思っているんですよ。
私:ティーセレモニー…ですか??
中国人女性:知らないんですか? 中国はお茶がとても有名で、特にこのあたりでは中国の伝統的なセレモニーがみる事ができるんですよ! それをこれから見に行くんですよ。
私:あー、中国茶は有名ですよね。でもティーセレモニーっていうものがあるっていうのは知りませんでした。この近くでやっているんですか?
中国人女性:はい、もうこの近くですよ! ほんとこの後に行く予定だったので、せっかくなので見ていきましょうよ!
そんなこんなで、特別予定もなかったのと「ティーセレモニー」とやらに少しばかり興味をそそられた事もあり、一緒に行く事になったのです。
詐欺なのに、無駄にちゃんとしている「ティーセレモニー」
すると、10分ほど歩いたところで小さな商店(お茶屋などの看板はない)のような場所に到着し中に誘導されました。中はギリギリ人が3~4人ほどは入れるほどの狭い空間となっていて、カウンターにはところ狭しと様々な種類のお茶が陳列されているのでした。
※実際の現地の写真がこちら
とにかく狭くて、セレモニーなんていうくらいだから、もう少しちゃんとした場所でみれると思っていたので、ここで若干の肩透かし感はありましたが、とりあえずセレモニーとやらが始まるのを待つ事に。
すると部屋の奥から何やらチャイナドレス? 風の服をきた…おばさんが登場!
なんでもこの方はお茶のプロとの事で、着ている服はお茶をいれる時の正装的な意味合いがあるとの説明を受け、いよいよティーセレモニーなるものが始まる事に。ちなみに、お茶屋のおばさんは英語が話せないので、一緒に来た小太りのおばちゃんの方が終始通訳をしてくれます。
お茶屋の女性:じゃあこれからティーセレモニーを始めます。まずは中国の「花茶」です。
セレモニーが始まると、お茶の解説を丁寧に交えながら手際よく女性がお茶をいれ始めます。その入れ方も独特で、急須を高く掲げて入れたり、お茶をいれるお猪口をくるっと少し回してみせたり、所作も無駄がなくとてもなめらか。さすが中国茶マスター!と思わせるパフォーマンスなんです。
これには思わず、私も関心してしまうのでした。
そして、実際にいれたお茶を目の前にある小さなコップに注いで、飲ませてくれるんです。味をまあ普通に美味しいです。(笑)
私:(へー、見るだけじゃなくて飲ませてもくれるなんてありがたいな…)
お茶屋の女性:では、続いてジャスミン茶です。
またパフォーマンスをする女性…
私:おー凄いですね…!
こんな調子でセレモニーが進んでいき、3、4杯目に突入し、小さなコップとはいえ相当量を飲んだので、もうそろそろいいかな、と思いはじめたところで付き添いの小太りおばちゃんがこんな事を言い出しました。
中国人女性:中国では「3・4」という数字が不吉といわれているから、普通、お茶のセレモニーもここで止めたりはしないのよ。日本でもそういう数字ってあるでしょ?
私:あーなるほど、日本でも「4」は「死」を連想させるから不吉とか言われてるところはありますね。
中国人女性:そうそう、だからこのまま5杯まで続けてもらいましょ。
そして、ティーセレモニーは続き、5杯、6杯と続いたところで今度は「7は世界共通のめでたい数字でしょ?」(ラッキーセブン)なんて話もはさみ、なんだかんだで7杯の中国茶をセレモニーで飲まされるのでした。
ティーセレモニーを堪能、そしてついにおばちゃん達の本性が明らかに!
私:どうも有難う御座いました。面白かったです!
中国人女性:楽しかったでしょ? 私もやっぱり見に来てよかった!
ティーセレモニーが終わり、付き添いの中国人おばちゃんと話しをしていると、お茶屋のおばさんが奥から何やら一枚の紙をもってきてこちらにみせてきたのです。紙には今日ティーセレモニーで飲んだお茶が順番に記載されており、1、○○茶 2、○○茶などと箇条書きで書いてあります。
あ、今日飲んだお茶のリストか、、とその紙を見ていると、付き添いおばちゃんがおもむろに声をかけてきて、こんな事を言うのです。
中国人女性:で、どれにする??
私:え? どれって、、
中国人女性:え、だってもちろん買っていくでしょ!? こんなに美味しいし、滅多にない機会なんだから。私は5種類くらい買おうかな!あなたはとりあえず3種類くらいにしておく?
急に興奮気味に話し、ものすごい勢いでお茶の購入を勧めてくる小太りおばちゃん…しかし、まあ確かに良い機会だし、お土産にひとつくらい買っていくのも悪くないかなと思い、購入を検討してみる事に。
私:ちなみに、1種類でいくらなんですか?
中国人女性:1種類、150グラム入りで、400元 (約6000円程)だって。
…え、たかくね??
中国人女性:こんな中国でも珍しい高級茶がこの値段で買える事なんてないよ、凄いお得だから! 絶対勝っていったほうがいいって!
私:まあ、そうですかね…。
正直、最初値段を聞いた瞬間は高いだろ!っと思ったんですが、一方で高級中国茶の相場価格なんてピンとこないところもあり、言われてみればそのくらいするのかな~? なんて思いつつ、一袋6000円だけ購入するかどうか迷っていました。
すると、お茶屋の女性がまた奥の方から何やら手書きで書いた紙を持ってきて、私に渡してきたのです。そこには…
お茶屋の女性:これ、今日の請求になるのでお願いします。
1、○○茶 パフォーマンス 80元(約1200円)×2
2、○○茶 パフォーマンス 80元(約1200円)×2
3、○○茶 パフォーマンス 80元(約1200円)×2
etc...
私:え、なんですかこれ?
中国人女性:今日のセレモニーの代金だね。
金とるんかい!!( ゚Д゚)
なんと、いきなり連れてこられ、勝手に始まったティーセレモニーは「有料」だったとの事なんです!😂 しかも、ご丁寧に1パフォーマンス毎に料金が取られており、今回セレモニーで飲んだお茶の数は7種類、それだけで合計10000円近く、1パフォーマンスに係る時間なんて、ものの1~2分程度のものなのに…
さらに驚くべきは、請求内容の「×2」の部分。まさかの、付き添いのおばちゃんの分まで乗っけられて請求されていたのです!(笑)
このあたりで、ある程度状況を察した私は、色々とツッコミたい気持ちを我慢しつつ、、
私:お茶はいらないかな、3袋も買ったら1200元(約18000円)でしょ? 正直高いし、そこまでお茶にお金かけられないし。
中国人女性:そんな、信じられない! 私は5袋買うんだよ。買わないなんてもったいないよ、じゃあせてて1袋くらい買っていきなよ、ね! それでいいいから!
血相を変えて、ガン詰めしてくる小太りおばちゃん…
私:いや、ほんとに1袋もいらないです。そもそも、あまりお茶飲まないし、家族もお茶そんなに好きじゃないから。
負けじと、冷めた態度で頑なに買わない意思表示を続けると、さすがに諦めたのか小太りおばちゃんは、お茶の購入を私に勧めるのを止め…
中国人女性:分かったよ、じゃあ今日はセレモニー代だけ払いましょう。
私:いや、何も聞かず連れて来られて勝手にセレモニー始まって、良く分からないんだけど。そもそも何で2人分の請求になってるの? ここの部分、ほら。
セレモニー代の請求書にツッコミを入れると、小太りおばちゃんはすっとぼけた表情で私に言いました。
中国人女性:え? これは出してくれないの? 私今日ここ連れて来たでしょ? 日本人お金持ってるでしょ、私女性だよ~! お願いよ、私の分も払ってよ~。
すっとぼけたと思えば、急におねだりモードで自分のセレモニー代も出してと、若干甘えた感じて訴えてくる中国人女性。何度も言いますが…
おばちゃん、、ですよ。
若いチャイナドレスの女の子ならまだしも(まあ、それでもイヤだけど)、おばちゃんに上目遣いでおねだりされたところで、私の心は微動だにするは事はなく…
私:いや、自分の分は払って下さいよ。そんなの無理ですから。
ふてくされた表情をする、、、おばちゃん。
中国人女性:もう分かったよ、じゃあいいよ。自分のセレモニー代だけ早く払って!
この時点で、自分の分すら払う事自体どうしようか迷ってはいたのですが。もう長々とやりとりをするのも面倒になってきたのと、請求が中国元の表示の為、通貨感覚が鈍ってしまい、セレモニー代の「560元」というのが、数字としてピンとこないところがあり(後々考えると、約8500円で普通に高いのですが…)。払ってしまおう、という感覚になってしまっていたのです。
じゃあ、自分のセレモニー代だけ払ってもう帰るか、と思ったところでトラブル発生。なんと私…
お金持ってなかったんです。
\(^o^)/
時は戻り、そもそもこの日は観光するというより、周辺をブラブラと散策する程度の目的で出かけていた為、まとまったお金を持ってきていなかったのです。😂
ポケットを探ると所持金は80元(約1200円)ほど。
どうしたものかと思いつつも、そもそもお金かかるなんて全くきいてないし、勝手にパフォーマンス始められて請求されているだけなのだから、まあ言われた金額払う筋合いもないよね、と開き直り…
私:あ、すみません。今、お金これしか持ってないんで。(持っている80元をみせる)
中国人女性:ええ!お金もってないの? 嘘でしょ! どうするのセレモニー代は!?
そこで、私はこんな提案をしてみました。
私:じゃあ、今はとりあえず建て替えて下さいよ。ホテル戻ったらあるので、それで返しますから。
中国人女性:そんな、私もないよ! お金持ってるわけないでしょ!
ないんかい! てか、お金ないって言っちゃうんだ! (笑)
小太りおばちゃんも、諸々の設定を忘れ、すっかり我を失っている状態です。😌
その後、クレジットカードでも払えるから払えだの、ホテルでお金を直ぐにとって来れるかなど、もろもろのやり取りがあり、それでも払えませんの一点張りでいると、お茶屋の女性が電話を取り出し、どこかに電話をし始めました。
すると、数分後…
お茶屋の女性:この人がお金払えないって言うんだけど。
中年の中国人男性:え、それは困りますよ。セレモニー見たんでしょ? お金ちゃんと払ってもらわないと。
ここで、新キャラの登場です。
まあ、いわゆる、そういう「役」の人です。ただ、正直全然怖い人といった感じではなく、現地の普通の中年のおじさんという感じの人。
私:いや、だから何ども言うけど色々おかしいし、そもそも今お金もってないから払えないってば。もうそれなら警察でも行きます?
中年の中国人男性:いや、警察なんか連絡しなくていい。とにかく何とかして払ってもらわないと、クレジットカードとか持っているだろ? もうカードでもいいから!
私:だから、カードも持っていないって! (実はカードは持っていた…) いい加減にして下さいよほんと!
相当イライラしてきた私…
と、ここで
中年の中国人男性:ほら、ポケットに何か入っているじゃないか? 財布だろそれ? 見せてよ中身…
と、私のズボンのポケットに無理やり手を突っ込んでくる中年男性…そしてついに、
プッツン…
触るな!( ゚Д゚)ゴルァ!!
ブチ切れて、私はその場を後にしたのでした。中国人グループは追ってくる事もなく、結局今回の一連の騒動で私は1元も払う事はありませんでした。
めでたし、めでたし。😌
詐欺にあった事に気づかない詐欺「ティーパーティー詐欺」は、かなりガチ
いかがでしたでしょうか? 今回の『中国・ティーパーティー詐欺』。
読んでいて、おもしろ可笑しく感じた方もいらっしゃったかと思いますが、この「ティーパーティー詐欺」、本当に怖いんです。
今回の私の例でもそうですが、非常に巧妙で演出なども本格的なので、「最後まで詐欺となかなか気づかない」のです。現に私も、たまたま所持金がなかったのでお金を払うには至りませんでしたが、途中、自分の分のセレモニー代は払う気でいましたし、お茶も1袋くらいなら買ってももいいかな、なんて思ってしまっていました。
そのくらい、この「ティーセレモニー」が巧妙かつ本格的につくられているのです。なので、値段相応の体験をしていると錯覚してしまい、さらに気分が良いところで、周りのサクラ役に盛り上げ持ちあげられるので、流れのままに高級茶を買わされてしまうのです。
この詐欺で一番怖いのは「最後まで自分が詐欺にあった事に気づかない」という部分です。現に、この詐欺での被害報告のほとんどが、帰国後やしばらく時間が経過した後となっていて、後々ゆっくりと考えればつじつまが合わない部分やおかしな事に気づくのですが、その最中は見事な演出に踊らされてしまうのです。
しかし、これはれっきとした「詐欺です」。その被害の数は多く大きな問題となっております。興味のあるかたは「 中国 お茶 詐欺 」などと検索してみて頂ければ、同様の被害情報などが多く報告されておりますので、参考までにご覧になってみてください。😅
それでは、本日はここまで!
次回の実際にあった『世界のおもしろ詐欺シリーズ』をどうぞお楽しみに!
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